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2020年07月28日

737MAXの墜落事故と生産再開:ボーイング社

ボーイング社の737MAXは、同社が開発する機体のなかでは小型機に属するものです。この飛行機は、インドネシアのLCCであるライオンエアが使用していましたが、2018年10月29日にインドネシアのジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港を離陸した直後に墜落して、乗員乗客全員189人が死亡しました。

また、737MAXはエチオピア航空でも使用されていましたが、2019年3月10日、エチオピアのアディスアベバのボレ国際空港を離陸した直後に墜落し、乗員乗客全員157人が死亡しました。

この737MAXは、737の従来機と異なり、エンジンを大型化し、エンジン取付け位置を変えたために、飛行中に機首が上がりやすい傾向がありました。そこで、これを検知して、機体を降下させて失速を防ぐために、自動失速防止システム(MCAS)が実装されていたのですが、この制御ソフトに欠陥があり、機首が上がり過ぎていると誤判断して、機種を下げる制御をかけてしまう場合があり、パイロットはこのMCASを遮断する方法も知らされていなかったために、対処できずに墜落したそうです。

昨今、飛行機も自動車も制御システムが高度化していますが、これを操作するパイロットやドライバーが適切に制御システムを理解するガイドがメーカ側に欠けているのではないでしょうか。この事故についても、パイロットはボーイングからMCASの制御システムについて知らされていなかったそうです。ボーイング社は不必要に細かい制御をパイロットに伝える必要はないと判断したそうですが、この時点で安全に対する考え方が全く間違っているといえます。

機体が異常な状態に陥ったときに最後に乗客の命を救うのはパイロットです。(車ならドライバーです。)そのため、最後は制御システムによる自動化をオフにしてでもパイロットが飛行を続け、無事に着陸させる方法がなければ意味がありません。ボーイング社は自社の複雑なシステムに埋もれて、製品安全の一番大事な安全を確保する方法の重要性を軽視していたと言われても仕方がありません。

この737MAXですが、当然その後生産停止になりました。しかし最近、ほとぼりが冷めたかのように、生産が再開されました。
https://www.aviationwire.jp/archives/203329

尊い命を多く失ったことから得た教訓を余すことなく、737MAXに反映されていることを祈るばかりです。事故を防ぐ技術や知識は、航空業界に留まらず、最近自動運転の話題に事欠かない自動車業界にも生かしてほしいものです。
Posted by スーさん at 22:26 │ボーイング