2021年06月18日
機械安全知識とリスクアセスメント:キーエンス
機械安全については安全規格があり、ヨーロッパでは安全に対する技術の関心が高いため、世界の中でも早くから規格が整備されてきました。日本では労働安全衛生法がありますが世界的には、機械安全に関するリスクアセスメントとリスク低減の進め方に関する国際規格があり、ISO12100という規格で機械安全について制定されています。
リスクアセスメントは、製品安全の分野では常識的な考え方でありますが、これを適切に実施して、適切に機械とひと・管理面で対策を打つことは非常に難しい高度な技術です。ISO12100では、危険源を見つけ、それを除去するための3ステップメソッドという考え方があり、このような安全設計を行うための体系的な考え方を提供しています。
しかし、規格を読むのは大変苦労します。キーエンスの安全知識.comという以下のサイトではこのリスクアセスメントと3ステップメソッドの考え方が具体的な事例も含めて分かりやすく説明されています。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/safety/knowledge/
安全設計はやみくもに何か効果がありそうなことを取ればよいということではありません。事故が発生するメカニズムをリスクアセスメントで正しく把握し、そのメカニズムが引き起こされないように、本質的安全設計、安全防護、使用上の情報の考え方を順序良く適用して適切な保護方策を取ることで残留リスクを許容できるレベルに下げるということを体系的な思考に基づいて行うことが重要です。
これをきちんと行うためには安全技術に関する設計や機器に関する個別の知識も必要です。これについても関連する安全規格があり、それぞれの知識を生かすことができます。機構、構造などのハード面の設計だけでなく、ハード制御、アラートなどソフト面の設計も重要です。またひとの操作、運転の管理、教育というひとに対する設計も欠かせません。安全を担保するための知識、技術を身に着けて実行することが重要です。
リスクアセスメントは、製品安全の分野では常識的な考え方でありますが、これを適切に実施して、適切に機械とひと・管理面で対策を打つことは非常に難しい高度な技術です。ISO12100では、危険源を見つけ、それを除去するための3ステップメソッドという考え方があり、このような安全設計を行うための体系的な考え方を提供しています。
しかし、規格を読むのは大変苦労します。キーエンスの安全知識.comという以下のサイトではこのリスクアセスメントと3ステップメソッドの考え方が具体的な事例も含めて分かりやすく説明されています。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/safety/knowledge/
安全設計はやみくもに何か効果がありそうなことを取ればよいということではありません。事故が発生するメカニズムをリスクアセスメントで正しく把握し、そのメカニズムが引き起こされないように、本質的安全設計、安全防護、使用上の情報の考え方を順序良く適用して適切な保護方策を取ることで残留リスクを許容できるレベルに下げるということを体系的な思考に基づいて行うことが重要です。
これをきちんと行うためには安全技術に関する設計や機器に関する個別の知識も必要です。これについても関連する安全規格があり、それぞれの知識を生かすことができます。機構、構造などのハード面の設計だけでなく、ハード制御、アラートなどソフト面の設計も重要です。またひとの操作、運転の管理、教育というひとに対する設計も欠かせません。安全を担保するための知識、技術を身に着けて実行することが重要です。
2021年06月17日
労働災害統計:厚生労働省
厚生労働省に、職場のあんぜんサイトというものがあります。そのなかで労働災害統計が以下のページで公表されています。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/toukei_index.html
毎年の労働災害統計がExcelのファイルにまとめられており、毎年死亡災害でお亡くなりなった人の数がわかります。
例えば、令和2年(1月~12月)では全産業で802人となっています。参考までに同じ令和2年における交通事故での死亡者数が2839人です。交通事故に比べて死亡者数は少ないですが、そもそも仕事中という前提であり、また危険な仕事という現場は限られているということを踏まえると、危険な仕事に携わっている方にとっては必ずしも少なくない数と感じられると思います。特に製造業と建設業だけで全体の49%(約半数)を占めていることからも、これらの業種では安全第一が重ねて求められていることがわかります。
死亡原因として一番多いのは、墜落・転落です。高所での作業はどうしても命に関わる仕事になります。なぜ墜落・転落が起きてしまうのか、その原因は現場ごとに異なると思いますが、その特徴をきちんと抜き出して、知見として纏めることができれば、おのずと新しい事故を防ぐことができるはずです。
現場では当然、墜落・転落を防ぐ基本的な対策は、建築物や設備の構造や運転の方法において取られているはずです。現場の方も当然、経験・知識があり、危険について十分に理解されていると思います。しかしそれでもなお墜落・転落を引き起こす誘因のようなものがあり、それが生じると雪崩が起きるかのように墜落・転落に向かってメカニズムが動き出します。東日本大震災の後、福島第一原発事故がおきましたが、この原発事故も当然、事故防止策は多様に取られていました。しかし地震と津波という原因が発生すると、その後、本来事故が生じるメカニズムを止められる対策があったにも関わらず、それが有効に働かず結果的に事故に向かったすべての現象が動き出しました。
事故を防ぐにはこのようなメカニズムの構造をきちんと把握し、現象のつながりを知識、教訓としてまとめることがとても重要だと言えます。そしてそれを予測することができるかどうかが鍵になります。労災事故を未然に防ぐための考え方と活動の指針の体系化と普及が望まれます。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/toukei_index.html
毎年の労働災害統計がExcelのファイルにまとめられており、毎年死亡災害でお亡くなりなった人の数がわかります。
例えば、令和2年(1月~12月)では全産業で802人となっています。参考までに同じ令和2年における交通事故での死亡者数が2839人です。交通事故に比べて死亡者数は少ないですが、そもそも仕事中という前提であり、また危険な仕事という現場は限られているということを踏まえると、危険な仕事に携わっている方にとっては必ずしも少なくない数と感じられると思います。特に製造業と建設業だけで全体の49%(約半数)を占めていることからも、これらの業種では安全第一が重ねて求められていることがわかります。
死亡原因として一番多いのは、墜落・転落です。高所での作業はどうしても命に関わる仕事になります。なぜ墜落・転落が起きてしまうのか、その原因は現場ごとに異なると思いますが、その特徴をきちんと抜き出して、知見として纏めることができれば、おのずと新しい事故を防ぐことができるはずです。
現場では当然、墜落・転落を防ぐ基本的な対策は、建築物や設備の構造や運転の方法において取られているはずです。現場の方も当然、経験・知識があり、危険について十分に理解されていると思います。しかしそれでもなお墜落・転落を引き起こす誘因のようなものがあり、それが生じると雪崩が起きるかのように墜落・転落に向かってメカニズムが動き出します。東日本大震災の後、福島第一原発事故がおきましたが、この原発事故も当然、事故防止策は多様に取られていました。しかし地震と津波という原因が発生すると、その後、本来事故が生じるメカニズムを止められる対策があったにも関わらず、それが有効に働かず結果的に事故に向かったすべての現象が動き出しました。
事故を防ぐにはこのようなメカニズムの構造をきちんと把握し、現象のつながりを知識、教訓としてまとめることがとても重要だと言えます。そしてそれを予測することができるかどうかが鍵になります。労災事故を未然に防ぐための考え方と活動の指針の体系化と普及が望まれます。