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2020年06月25日

横浜シーサイドラインで発生した鉄道人身障害事故

2019年6月1日に横浜シーサイドラインの横浜シーサイドライン新杉田駅で鉄道人身障害事故が発生しました。具体的には自動運行システムで運行される列車(無人)が新杉田駅で本来の進行方向とは反対方向に逆走して線路終端部の車止めに衝突したという事故です。衝突時の速度が約25km/hとのことで、当時列車に乗車していた乗客25人のうち17人が負傷しました。詳しい事故調査報告が以下のサイトに紹介されています。
https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/keika20200227.pdf

自動車の自動運転や衝突回避ブレーキシステムが実用化されて当たり前になってきている昨今において、昔から自動運行している列車が逆走して車止めに衝突するという話を聞いたときに、にわかに信じがたい話でありました。

報告書によると、列車の進行方向を伝える指令線の断線が今回の逆走の原因でした。また更に重要なこととして、このような断線が発生した状況において逆走を防ぐ対策がなされていなかったことが指摘されています。実際に車両設計において、車両の電線等の断線を前提としたハザードの解析が網羅的に行われていなかったそうです。

当事者はフェイルセーフなどの考え方は基本的に分かっているはずですし、機械や構造に故障が起きた時に何が起きるかというストールは知識として持っているはずですが、設計時にこういったリスクアセスメントを仕事のルールとしてしっかりと行うことが徹底されていることの大切さを再認識させられます。また、自動運行システムの導入当時に十分な解析ができていなくても、後に事の重大性に気づいていれば、事故防止のためのハザード解析を行うこともできたのではないかと思います。運行や使用が始まった後でもきちんとリスク評価を継続して行うことの大切さも感じます。

1993年に大阪市のニュートラムで暴走事故が起きましたが、横浜シーサイドラインの事故を受け、Osaka Metro(大阪メトロ)のニュートラムでは、回路の一部が誤動作しても逆走を防止できるシステムになっていることが確認されているそうです。(2019年7月19日付)
事故が起きた後に、行政が主導して、きちんと他の類似のシステムが正常であることを迅速に確認する仕組みになっていることはとても重要ですね。

概要:2019年6月1日に横浜シーサイドラインの新杉田駅で鉄道人身障害事故が発生しました。自動運行システムで運行される列車(無人)が新杉田駅で本来の進行方向とは反対方向に逆走。車両設計において、車両の電線等の断線を前提としたハザードの解析が網羅的に行われていなかった。
Posted by スーさん at 21:43 │横浜シーサイドライン