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2020年11月06日

旧米軍施設「小柴貯油施設跡地」地下タンク重機転落事故:横浜市

横浜市にある旧米軍施設であった小柴貯油施設跡地の公園造成地において、土砂の仮置き作業をしていた男性作業員が重機ごと地下タンクに落下するという痛ましい事故が発生しました。事故は2020年8月25日午後4時15分頃に発覚しましたが、当時のタンクの上には草が青々と生い茂り、タンクが下に存在することは目視ではあまり確認できない状況でした。またタンクには蓋がありましたが、重機はその蓋ごとタンク内に落下した模様です。タンクは直径約45m、深さ約30mと非常に大きなもので当時、雨水が深さ9mほど入っていたとのことです。

神奈川県警の発表では、作業員の死因はタンク内の水を吸引したことによる窒息死だったとのことで、ご自身も突然何が起きたのかわからないまま、お亡くなりになったものとお察しします。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

なぜこのような事故が起きたか?その原因をはっきりさせて再発を防がねばなりません。そもそも、この公園は2032年度に全面オープンする予定で、横浜市が公園造成を業者に依頼しているものです。しかし報道によると、9月25日の横浜市議会で、横浜市の市職員が工事受注業者側に示した図面にタンク跡の位置が明記されていなかったことが明らかになりました。

https://mainichi.jp/articles/20200925/k00/00m/040/243000c

横浜市は、その現場がタンク跡地であることを踏まえ、工事業者にタンク跡の位置を通知するのは、土地所有者として当然のことのように思います。詳しいことは不明ですが、安全管理上のチェックが十分にできていなかったことは明白で、本来防ぐことができた事故といえます。

タンクに限らず、側溝などの穴があり、蓋やカバーで覆われていて、落下の危険がありそうな構造の土地や建築物の上を、ひとや重機が通過する場合には十分な注意が必要です。今回のタンク蓋の構造や強度がどのようであったかはわかりませんが、そもそも重機の通過は想定されていないと思います。

工事に関するリスクアセスメントが関係者の間で十分にできていなかったのでしょうね。少しでも安全管理の意識や知識があれば、危険が現場で正しく理解されていたと思います。横浜市、業者双方において、責任の押し付け合いをせず、真摯に原因を分析して、横浜市に限らず、古い施設が残っている土地に対する工事における注意点として、公共事業の教訓にしてほしいものです。自治体は土地所有者としての意識が低いように思います。
Posted by スーさん at 22:33 │旧米軍施設